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色・素材へのこだわり
色・素材へのこだわり
北欧デザインの巨匠、アルネ・ヤコブセンは建築を建物だけでなくトータル的にデザインすることにこだわった完璧主義者である。例えばそれは、室内の家具、照明、ドアノブなどのプロダクトから、インテリアまで全てに及んでいる。ヤコブセンは自ら”必要とされているものをつくる。それが私の仕事の基本だ”と語っているように彼のデザインのすべては必然性から生み出されたものであり、それは機能性や合理性から切り離されたオブジェ的なものになることは決してなかった。彼のデザインはどこかオーガニックな雰囲気があり、例えば、曲線を直線と対比させることで、その美しさを際立たせている。
バウハウスやミース、当時のモダニズムから多大な影響を受けたヤコブセンではあるが、北欧という地域性や歴史性によって、それは、除々に温かみのある北欧モダンといわれるヤコブセンらしいデザインとなっていったのであろう。
”日常生活の中にこそよいデザインを”というヤコブセンの考えは、身の廻りにある全ての物に対して美しい形となってにあらわれ、今も変わることなく存在している。また、北欧の文化は白木の文化でもあり、木に対する思いは、日本が木の文化であることを考えれば、きっと共有できる感性である。
今回のエスポワールL、Vでは、アルネヤコブセンのように建物だけではなく、インテリアも(生活道具も)デザインしており、室内の壁の色や家具、建具、キッチン、カップボード、TEL台、洗面台、クローゼットなどを自らデザインすることで、生活までもデザインをし、全体の統一感をもたせている。そして、木の素材感を大切にし、木に対する思い(やさしさ、暖かさ、ぬくもりなど)、それを表現(デザイン)の基本とした。
日本人の精神とは長い歴史を見ればわかるとおり、自然と対峙することではなく、自然と共生する道を歩んできた。日本人の原風景とはいつも身近にある”自然”(その土地に咲く草花の色や風土の色、)なのであろう。
そんな日本の自然を”色”という要素に変換し、それをもっとも感動的に表現できるものの手段として、壁に託した。つまり自然の色を内部空間に持ち込み、、自然を抽象化した形で空間を表現しようと試みた。色の感性とは人様々であり、国籍、年齢、性別、その個人の育った環境などにより認識される色のイメージは異なる。しかし必ず共有できる認識はあるはずであり、それは、もしかして原風景の共有なのかもしれない。


エスポワールの寝室の壁に塗られた色は裏葉色、水浅葱、灰緑、利休鼠などどれも日本に昔からある緑色(草木の色、いぐさの色)、そして藍染色である。また桃山時代の茶人である千利休が好んだ色でもあり、それは植物の緑、山々の緑や青を思い出させる。LDKの壁に塗られた色は、玉子色、灰汁色、丁字色、スカイミスト、オリーブウッド、山葵、象牙色である。玉子色は日本の昔からの農村風景の一部である稲穂の色、わらの色を連想させる。灰汁色は山野に広がる低木を連想させる。丁字色は”古美る”とい言葉とおり、古びて茶色くなった素焼きの器を連想させる。スカイミストはやや灰がかった水色で、日本人の情感にふれる雨の色を連想させる。いずれも日本人の美意識に深く根付いている感性であり、個人の感性に、より深く響くであろう。

長い時間をすごす寝室には必然的にもとめられた”癒し”という要素、そして集う空間であるLDKに求められた”空間の求心性”という要素が色の共通言語によって壁に託され、色に変換され、うまく表現できたのではないかと思う。

色や素材による空間への影響力は大きく、空間を決定することにあたって大切な、ボリュームやプロポーションといった形体、光や風などの自然、これらと同じくらい重要な要素である。


Arne Jacobsen
2002年に生誕100周年を迎えた。20世紀のデンマークを代表する建築家にしてデザイナー。建物だけでは十分ではない。中を飾る、家具も照明も、カトラリーも灰皿も、カーペットやドアノブまで彼はデザインすることにこだわった。コペンハーゲンにある1960年に竣工したSASロイヤルホテルは、ヤコブセンのトータルデザインの集大成である。現在は唯一606号室のみが当時のまま保有されている。
SASロイヤルホテル606号室
※裏葉色=うらはいろ
水浅葱=みずあさぎ
灰 緑=はいみどり
利休鼠=りきゅうねずみ
藍染色=あいぞめいろ
玉子色=たまごいろ
灰汁色=あくいろ
丁字色=ちょうじいろ
山 葵=わさび
象牙色=ぞうげいろ
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