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2006年から毎年開催され今年で4回目となる「グラフィックトライアル2009」が、文京区にある印刷博物館にて開催されています。
グラフィックトライアル2009
「グラフィックトライアル」とは、第一線で活躍する4人のクリエーターが考えた独創的なアイデアを、 印刷のプロであるプリンティングディレクターが印刷で再現し、新しい表現を獲得するという実験企画です。
この企画の凄いところは、特殊印刷や加工は一切使用しておらず、新聞やマンガ、ポスター等に使用される オフセット印刷のみを用いて、どのような表現がどこまで実現できるのかを追及しているところです。

今回、初めて拝見しに行ったのですが、4名のクリエイターの個性が光る、どれも負けず劣らずの素晴らしい作品が展示されていました。しかも、それが無料で見れるというから一石二鳥。

作品は順番に展示されており、まず一番最初に展示されていた作品が八木 克人さんの「自然界の質感を紙の上に凝縮する」と言うコンセプトの作品です。
本人が世界各国で撮り貯めた美しい情景写真の中から、岩、植物、水、空などの「質感」を抽出し、クリスタルを軸にいかに印刷で表現できるのかと言うものです。
写真というつるりとした印画紙とは区別化し、テーマに沿ったインキの選択や版の重ね方、用紙によって自然物のもつ本来の「質感」を表現しています。
八木克人「自然界の質感を紙の上に凝縮する」
同じポスターでも、版やインキの構成、テーマに沿った用紙の使い分けによってイメージが大分変るのが分かります。
また、クリスタルの美しさや自然の質感がきれいに表現されており、思わず見とれてしまう作品でした。

二番目の作品は、佐野 研二郎さんの「紙の表と裏にインタラクティブな関係を」と言うコンセプトの作品です。
両面が互いに影響し合う表裏一体かつ独立した関係を、厚み0.1mm以下の紙と印刷の透かし効果で立体的なポスターとして表現すると言うものです。
佐野 研二郎「紙の表と裏にインタラクティブな関係を」
表裏どちらから見ても一枚の絵なのに、それを透かして見るとまたさらに違う表情が!
そして、薄い紙なのに立体的に見えるところなど、まさにグラフィックの様でした。
一枚で二度おいしい、とはこの事です。

三番目の作品は、植原 亮輔さんの「色とパターンがつくりだす不思議な視覚効果」と言うコンセプト作品。
オフセット印刷と言う平面の世界で、網点の密度やパターン、インキの微量な性質を利用し、今までとは異なる質感、立体感を生み出すというものです。
植原 亮輔「色とパターンがつくりだす不思議な視覚効果」
見る角度によって光の反射が変わる銀と様々なパターンを組み合わせ、視覚的効果を表現する。
実際ぐるぐる動きながら見ると、角度によって絵の表情が変わり驚きました。
作品自体にも独特の雰囲気があり、一番楽しめた作品でもあります。

最後は秋田 寛さんの「網点でどこまで表現の幅は広がるのか」と言うコンセプトの作品でした。
デザインは一切していない缶を置いただけの写真に、印刷物で色の濃さを表す網状の点「網点」を拡大したり立体にしたりと自由に変形させ、従来の価値観から逸脱した表現を試みたものでした。

秋田 寛「網点でどこまで表現の幅は広がるのか」
なんの変哲も無い一枚の絵が、本来規則正しく存在するはずの網点に変化を加える事で、こうも印象が変わるものなのか。
デザインをせずに、ここまでのパターンが表現できるとい事に驚きました。

アマヤホームでも、デザイナーズ賃貸の物件情報を紙媒体で印刷する事があります。
そういった意味でも、今後印刷の可能性を垣間見る事が出来た貴重な展覧会でした。
7月26日まで開催しているそうなので、興味がある方は是非!


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投稿者:うえだ | 日時:2009年4月30日 16:20

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